[アトリエ製作現場 ルース(裸石) 最新のお知らせ]【アトリエ制作風景】レインボームーンストーンのペンダント
アダンスタッフ久保田です。
昨年の誕生日に何か記念になるものを、と思い立ち誕生石のペンダントを作ることにしました。
6月生まれの私はパールかムーンストーンが誕生石です。
日本の6月、梅雨の時期にぴったりの優しい雰囲気でどちらも大好きな宝石です。
今回はレインボームーンストーンでペンダントを作ることにしました。
ツーソン買い付けで出会ったレインボームーンストーン、その名の通り虹色のシラーが美しいルースです。
角度によってブルーやピンク、オレンジなど様々な色が現れます。
ルースのままで眺めていても十分楽しいのですが、身に着けられるようにいざ加工開始です。
シャンパンゴールドの線材を切って曲げて、ロー付け(溶接)していきます。
ゴールドは素材の特性としてバネ性があるので、火を当てると曲げた部分がぐにゃんと反発して変形するため、この工程は難しかったです。
微調整しながら徐々に形を組んでいき、ちょっと間の空いた部分があったので寄り線を追加することに。
すべてのパーツを組み上げたら最後の難関はそう、石留めです。ドキドキします。
まずは動かないように台座に固定します。
少しずつ爪を倒していき、、なんとか無事に石留めができました。
途中、3分くらい呼吸が止まっていたのではないかというほど集中していました。
あとは仕上げをしたら完成です。
時間はかかってしまいましたがなんとか形になりほっとしています。
誕生石のジュエリー、大切に使いたいと思います。
[ルース(裸石)]ルース研磨工房の見学に行ってまいりました@清水貴石さん
山梨県甲府の宝石研磨工房さんに行ってまいりました。
甲府は水晶の発掘地であったことから昔から宝石研磨の工房が栄えていたそうです。
今もこだわりの研磨工房さんが丁寧にメイドインジャパンのルースを研磨されていて、ADAMでも以前からオリジナルジュエリーに使わせていただいておりました。
今回お邪魔させていただいた清水貴石さんでは桜がルースの中に浮かび上がる不思議なカッティングのさくらインカットの研磨作業を見学させていただきました。
まずは原石のお部屋から。
まるで博物館のように世界中から集まった原石が磨かれるのを待っています。
そして研磨職人さん達の作業部屋へ。
大まかなサイズ取りから始まり、最後の桜模様のカッティングまでじっくりと見学させていただきました。
工具を研磨盤に当てる角度や強さは長年の経験があってこそできる、まさに職人技。
こんなに大切にカッティングされたルースは私たちも丁寧にしっかりとジュエリーにお仕立てしたいと改めて背筋が伸びる思いでした。
桜の花びらのカッティングはほんの一瞬でも角度や力加減が変わると形が崩れてしまうそうです。
なんと繊細なカッティングでしょうか。
一層愛着が湧いてしまいますね。
こちらのルースを使ったジュエリーについてはまた改めてご紹介いたしますのでどうぞお楽しみに。
[ルース(裸石) 最新のお知らせ]山梨の宝石研磨工房に行ってきました(後編)
アダンスタッフ久保田です♪
以前ご紹介した山梨の研磨工房見学の続きをご紹介します。
前回のブログではルースを器具にセットしてファセットをカットしていく様子をご紹介しました。
こちらもまさに熟練の技で圧巻!だったのですが、
今回は手の感覚だけで面を仕上げていく手磨りについてご紹介します。
まずはこんな状態のアメジストの原石からスタートです。
職人さん、「ふむふむ、これなんか綺麗なルースに仕上がりそうだなー」と長年の勘からさっと原石をピックアップ。
角度をセッティングする器具などは使わずに素手で磨っていくと聞いていたのでどんな形になるのかワクワク見守っておりました。
回転する板の上でまずは荒削りをしていきます。
お話ししながら、さっさっさーと…
あっという間に長方形の形になっているではありませんか!!
これには一同驚きです。
大変失礼ながら、「手で磨る=ラフカット」と勝手に思いこんでおりましたので、
まさか誤差が目立ちやすいスクエア型になるとは全く想像していませんでした!
みるみるうちに仕上がっていく様は圧巻でございました。
てっきりこういうカットはまっすぐセットできるような器具を使うと思っていたのでただただ驚愕です。
この後はルースを当てる板と研磨剤を細かいものに変えて表面をピカピカに磨いていきます。
せっかくきれいにカットしたファセットをだれさせないよう、同じ角度で磨いていきます。
実はこの行程であえて職人さんがバトンタッチして実演していただいています。
本当は自分がカットしたルースではなく、他人がカットしたものを磨くというのは手が違うから難しいものだそうなのですが、それでも音と手の感覚でぴったりに合わせて磨き上げてしまうという職人技をこちらでもしっかり見せていただきました。
この通りピカピカです!思わず拍手!!
目から鱗の連続で非常に濃い時間を過ごさせていただきました。
みなさんありがとうございました!
[ルース(裸石) 最新のお知らせ 芸術・文化活動レポート]山梨の宝石研磨屋さんに行ってきました(前編)
アダンスタッフ久保田です♪
先日、スタッフのみんなで山梨の宝石研磨工房に行ってまいりました!
新宿からバスに乗り込み、たった2時間で甲府へ到着、早いですね!
着いてまず向かったのはいつもお世話になっている宝石の研磨工房さん。
東京の展示会ではよくお会いしていましたが、今回初めて工房を訪問させていただきました!
こちらの研磨工房さんではカメリアカットやダイナミックカットなど、魅力的なルース達をいつも綺麗に仕上げていただいています。
到着してまず見せていただいたのは原石のお部屋。
世界各地から集められた、たくさんの種類の原石がまるで博物館のようにゴロゴロと、、
この原石をカットするとどんな風になるかな〜と想像が膨らみます。
1日いても飽きない空間ですね〜。とても楽しかったです!
続いてはこのゴロリっとした原石からカメリアカットへの研磨方法を実演していただきました。
たくさんある原石の中からサイズや色味等を選別し、ちょうど良さそうなものが見つかったらまずは大まかな輪郭取りの作業です。
説明を聞いてふむふむとしていた次の瞬間、、キュイーン……
「え!!………す、素手で!??」と一同すでに驚きです!
びっくりしているうちに華麗な手さばきであっという間に輪郭取りが完了しました。
サクサク削ってらっしゃいましたが、本当はすごく難しいんだと思います。職人さんに拍手!(パチパチ
お次の工程は、先ほど大まかな輪郭を取ったルースを定型サイズに整える作業です。
旋盤のような機械にルースをセットし、ラウンド型やペアシェイプなどルースの輪郭をきっちりと整えていきます。
見事まんまるな輪郭になりました!
輪郭が取れたらお次はいよいよファセットを切っていく作業です。
仕組みとしては、持ち手に接着したルースを回転する円盤に当てて削っていくのですが、、
ご覧いただけるように取り付ける先の工具の種類もたくさんあります。
多角形の部分を台座にセットすることでファセットを一定の数で切ることができるのだそうですが、8面体を半周回して16面体に、、そして角度を変えて再び8面…などそれぞれの目指すカット数に向けてなんどもなんども持ち手を微調節しながら研磨していきます。
特にファセット数の多いカメリアカットは何段階にも分けてカットしていくそうです。
ため息ものの職人技です。
力加減でファセットの面の大きさが変わるそうなので、均一な力で研磨していく必要があるそうです。
考えただけで難しそうですね、、しかし実際は目の前で気持ち良いほどリズミカルに研磨されていくんです。
聞いてみるとこの方はかれこれ30年程このお仕事をされているそうです。
まさに熟練のなせる技ですね、素晴らしかったです!
カメリアカットはこうして出来上がった複雑なファセット構造のおかげで、その一面一面の光の反射によりルースの中に様々な色が混ざった様に見えるのがとっても美しいカットです。
一層愛着が沸くコレクションとなりました♪
さて、長くなってしまったので今回はここまで。
後編では手擦りの宝石研磨の加工の様子をご紹介しますね(^^)
お楽しみに!
[ルース(裸石) 最新のお知らせ 海外仕入旅行記]【海外仕入れ】ツーソンジェムショー2018での仕入れに行ってきました!
アダンスタッフ久保田です♪
1月末にアメリカのアリゾナ州、ツーソンで行われる世界最大のジェムショーTucson Gem Showに行ってまいりました!
昨年に続き二度目の訪問ですが、寝ている以外の時間はほぼずーっとルースを見たりジュエリーの話をしているので出発前からワクワクな出張でした♪
今年もたくさん魅力的なルースに出会ったのでご紹介しますね。
アリゾナ州と言えば、グランドキャニオン。
アメリカの国土が広大すぎて距離の感覚はよく分からなくなりますが、州の北部にはグランドキャニオン、南部に位置するのが今回訪れたツーソンです。
ジェムショーが行われる期間はツーソンの広大な土地にこのようにテント会場が出現し、宝石からその原石、化石まで無数の「石」が集まってきます。
わたしたちが仕入れに行くのはコンベンションセンターにあるメインの会場周辺ですが、少し郊外に行くとご覧のような青空市状態のテント会場が点在しています。
こんなテント会場もとっても楽しそうなのですが、まずはお目当てのルースを探しにいざ、メイン会場へ!
こちらはオープン前のコンベンションセンター会場の風景です。
広すぎて半分も写っていませんが、このブースがすべてアメリカからの出展社。
カットの綺麗なルースを扱っている出展社が多いです。
そしてこちらはもう一つのメイン会場の開場待ちの列です。
こちらはアメリカ以外の出展社がメインの会場で、とにかくたくさんの素材が様々なブースで取り扱われていて、ややカオス状態。
逆に、掘り出し物を探すならこちらということでみなさん初日の朝一から気合が入っています!
ブラジルのトルマリンや、
透明感の素晴らしいタンザナイトとトルマリン。
わたしはカメリアカットにリカットするためのジルコンを必死で選んでおります。
まるでザクロのように鮮やかなレッドスピネルの珍しいラフカボションや、
パライバ産のパライバトルマリンのカボションルース。
プチっとサイズがとってもかわいいです!
まさに一目ぼれルースでした♪
ルースと睨めっこしていれば時差ボケなんてなんのその、あっという間の2日半の仕入れでした~
そうそう、昨年会場の近くで見つけた小さな(といっても国内で見たら巨大クラス)サボテン、「来年ツーソンに来たらどのくらい大きくなってるかな~」と一同楽しみにしていたのです。
ジャックとホセというメキシコ風の名前までつけて愛着のあるサボテンたち、最後にその成長ぶりを比較する写真をどうぞ…!
左が去年、右が今年です↓
あれ、、、、いやいや、、、、これはまさかの去年とほぼ同じサイズ!?
しいて言えば真ん中の丸い子が少ーしぷっくりした、、ような、、、
あっという間にニョキニョキ伸びると思っていただけに、サボテンの成長スピードのマイペースさに一同驚愕な成長記録でした!
今回仕入れたルースたちはリカットしたり、さっそくジュエリーに加工していますので出来上がりましたらまたご紹介しますね♪
お楽しみに(^^)/