[お仕事やお店の日常 ルース(裸石) 最新のお知らせ 芸術・文化活動レポート]山梨県立宝石美術専門学校について
こんにちは。
4月から、ADAMのスタッフとして働かせていただくことになりました。飯島と申します。
先月まで山梨のジュエリー専門学校に通っていました。
まだ慣れないことばかりですが、新社会人として、日々の仕事に精一杯取り組んでいこうと思います。
ADAMには木・金・土曜日にいますので、ご来店の際はどうぞよろしくお願いいたします。
今日は、私の母校である山梨県立宝石美術専門学校について、ご紹介させていただこうと思います。
山梨県立宝石美術専門学校は、山梨県甲府市にある、公立のジュエリー専門学校です。
▲真ん中の建物の7階にあります。甲府駅から歩いて10分です。
学校ではジュエリーに関するいろいろなことを学べます。
貴金属加工、宝石加工、CAD、ジュエリーデザイン、宝石学、鑑別・鑑定、ビジネスetc…
私は職人に憧れて宝石美術専門学校に入学しましたが、加工だけでなく、ジュエリーに関することを幅広く学ぶことができました。
学校の授業の一つに、山梨の水晶鉱山で水晶を採取し、自分でカットを施す授業があります。
山梨県ではかつて、水晶採掘が盛んに行われていました。採掘した水晶を甲府の工場で研磨したり、彫刻を施したりして、水晶製品をたくさん作っていたそうです。そうして、甲府は宝石の街と呼ばれるほど、ジュエリー産業が盛んな地域になりました。
授業では、かつて水晶採掘が行われていた鉱山に赴き、地表に露出している水晶を採取します。
こんな感じで、かなり山です。
地面をよく見てみると、キラキラした結晶がたくさん見つけられます。
小さいですが、透明度が高い、天然の水晶です。内包物(インクルージョン)があるものもあります。
持ち帰って、学校の宝石加工室で研磨していきます。
▲学校の宝石加工室です。宝石を研磨する機械がたくさん置いてあります。
インクルージョン入りの水晶を、楕円の形に、カット面をつけて研磨しました。
宝石を加工するときは、通常ファセッターと呼ばれる道具を使うのですが、この水晶は手擦りといって、宝石を直接手で掴んで、指先で角度をつけて削っていく方法で研磨しました。
この授業では、現代の名工の、手擦り職人の方に研磨の仕方を教えていただけます。
山梨の工房で働いている職人の方々に、直接指導していただけるのも、この学校の魅力の一つだと思います。
甲府には、ジュエリーの学校やミュージアムなど、ジュエリーに関連した施設がたくさんあります。
甲府の宝石屋さんや工房が集うイベントも定期的に開催されていますので、ジュエリーがお好きな方は、ぜひ山梨に訪れてみてはいかがでしょうか。
[ルース(裸石) 最新のお知らせ]山梨の宝石研磨工房に行ってきました(後編)
アダンスタッフ久保田です♪
以前ご紹介した山梨の研磨工房見学の続きをご紹介します。
前回のブログではルースを器具にセットしてファセットをカットしていく様子をご紹介しました。
こちらもまさに熟練の技で圧巻!だったのですが、
今回は手の感覚だけで面を仕上げていく手磨りについてご紹介します。
まずはこんな状態のアメジストの原石からスタートです。
職人さん、「ふむふむ、これなんか綺麗なルースに仕上がりそうだなー」と長年の勘からさっと原石をピックアップ。
角度をセッティングする器具などは使わずに素手で磨っていくと聞いていたのでどんな形になるのかワクワク見守っておりました。
回転する板の上でまずは荒削りをしていきます。
お話ししながら、さっさっさーと…
あっという間に長方形の形になっているではありませんか!!
これには一同驚きです。
大変失礼ながら、「手で磨る=ラフカット」と勝手に思いこんでおりましたので、
まさか誤差が目立ちやすいスクエア型になるとは全く想像していませんでした!
みるみるうちに仕上がっていく様は圧巻でございました。
てっきりこういうカットはまっすぐセットできるような器具を使うと思っていたのでただただ驚愕です。
この後はルースを当てる板と研磨剤を細かいものに変えて表面をピカピカに磨いていきます。
せっかくきれいにカットしたファセットをだれさせないよう、同じ角度で磨いていきます。
実はこの行程であえて職人さんがバトンタッチして実演していただいています。
本当は自分がカットしたルースではなく、他人がカットしたものを磨くというのは手が違うから難しいものだそうなのですが、それでも音と手の感覚でぴったりに合わせて磨き上げてしまうという職人技をこちらでもしっかり見せていただきました。
この通りピカピカです!思わず拍手!!
目から鱗の連続で非常に濃い時間を過ごさせていただきました。
みなさんありがとうございました!